現代のトレードの世界においては、人工知能(AI)による自動売買やアルゴリズムトレードが、その多くを占めていると言われています。*一部の高速自動売買はここでは除外します
その実態については、私たち一般庶民に公開されることなどありません。米国の名だたる証券会社などは、人工知能開発のエンジニアを超高額の報酬で獲得しているという記事を目にしたことがあります。
朝の経済番組で、「今週のAIの予想は(上昇)です。」などというコーナーがありますが、あれはどちらかというと、今までの過去統計の延長線ではないでしょうか。自動売買までを行うAIとはまったくレベルが違うものでしょう。
それよりも数段上(であろう)AIは、いわゆる「ディープラーニング」といって、自分自身で膨大なデータにアクセスして勝手にどんどん知識を獲得し、それをもとに自己改善してしまいます。こうなると、もう開発者にすらそのプロセスはわからなくなり、ブラックBOXになります。(*将来的にこれが人間にとって有害になる可能性すら囁かれています)
結論として、高度なAIが何を基準にしてトレードするのか、という問いへの答えは「分からない」ということです。分かるという人がいればそれは詐欺に近いでしょう。ただし、ことトレードにおいては、だいたいの予想はつきます。
つまり、AI自身がトレードロジックを学ぶ根拠があるものを考えれば良いのです。それは、
・ファンダメンタル
・テクニカル
この2つしかありません。
たとえば、相場が急落する場面が以前よりも多くなったと言われています(本当にそうなのかの統計を見たことはありませんが)。ともかく、その原因としては、
1 イベント反応型のAIが、インターネットやニュース速報の中の「特定のキーワード」に反応して即座に売り注文を出す
2 それに続いてテクニカルトレードのAIが「売りトレンド発生」を検知して売り注文で追随する
このようなことが言われています。
しかし、よく考えてみればこの図式は、AIはもちろんコンピューターなど無かった相場にも当てはまりますよね。
1 まず事情通(インサイダー)が政治や経済の急変を察知して売りを出す
2 それがチャートに反映されてテクニカルトレードを誘発する
という流れです。
つまり、トレードの本質は何も変わっていないのです。米国の大手証券会社は、200人いたディーラーを解雇してほとんどをAIに置き換えたらしいですが、それは人件費が別なものに変わっただけです。
「現在の価格」が適正なものかどうかを判定するには「ファンダメンタルの変化」を「テクニカル分析で確認して追随する」という以外には考えられません。
この流れを「絵」にしたのが日本発祥の【ローソク足】です。私たち普通の人間は、無数の数字の連続を見ても、それが何を意味するのかをすぐには把握できません。しかし、ローソク足ならば「黒(陰線)は下落」と瞬時に判断できますよね。
今では欧米でも「キャンドルスティック・チャート」として定着しています。たとえば「同事足(十字足)」は「Doji-bar」と表記されます。
私ももう20年以上トレードしていますが、ローソク足分析が通用しなくなったという話は聞きませんし、私自身もまったくそうは思いません。それどころか、ここ1、2年は価格が止まるところや加速するポイントがよりチャート通りになってきたという実感すら覚えています。
これを予想なのですが、 AIは過去のそうした変化点を正確に学習して、実際のトレードに反映させているのではないでしょうか。逆に言えば、私たち一般人も同じようにそれを学べば良いということです。
重複しますが、AIが何か過去の人類が考えもしなかったような分析を行うとは思えません。大口の注文を出す大手証券がより忠実に過去データに基づいたトレードをするという前提ならば、イレギュラーな仕掛けなども減りますので、よりテクニカル分析が活きると思います。
当サイトが講義しているのは、そうした「ローソク足による値動きの分析と予想、そしてエントリーの方法」です。ムダを排除したシンプルな手法ですので、実際にやろうとしたら判断に時間がかかるなどということもありません。単純に、覚えて繰り返すだけです。初心者がぶつかる壁も分かっています。そこはしっかりフォローしますので安心してください。